概要

STC試験には4つの名前が出てきます。でも構造はシンプルです。

Associate(初級)→ Advanced(中級)→ Expert(上級)という3段の階段があって、Legal Expertはその一番上の段を"半分だけ"受ける形。これだけです。

「4つのうち、自分はどれを受ければいいか」。いますぐ答えられますか?

たぶん多くの方が、名前だけ聞いても順番や違いがピンとこないと思います。この記事では、出題内容には一切触れずに、4つの「位置関係」だけを整理します。

みなとくん船長、4つもあると、どれから手をつけたらいいのか……
あんぼう船長まあ落ち着け。名前が4つあるだけで、中身は3段の階段じゃ。地図さえ頭に入れば、迷わんようになる
## この記事で学べること
  • STC試験の4つの名前が、どういう位置関係にあるのか
  • どの段から受けられるのか、順番の縛りはあるのか
  • ExpertとLegal Expertの関係、有効期限、次の試験日
名前は4つ、実体は3段の階段
名前は4つ、実体は3段の階段

どの段からでも受けられます

まず、いちばん誤解されやすいところから。

下の資格に合格していないと上を受けられない、というルールはありません。 受験資格に制限はなく、学歴・年齢・経歴・国籍も問われません(ただし日本国内で受験できる方が対象で、オンライン試験は海外からのアクセスができません)。

つまり「まずAssociateから順番に……」と考える"必要"はない、ということです。

「階段はあるけれど、途中の段から乗ってもいい」

もちろん、いきなり上の段に飛ぶかどうかは別の話です。ただ「順番に取らないといけない」という思い込みで足踏みしているなら、そこは外して大丈夫です。

4つの違いを1枚で

4つを、1枚で見比べる
4つを、1枚で見比べる

Associate(初級)は、外為法25条・48条1項に関する輸出管理実務。○×式25問を40分で、受験料は6,600円(税込)、年3回。

Advanced(中級)は、外為法等の法令/輸出管理手続に加えて、米国EAR再輸出規制。選択式25問を70分で、7,700円、年2回。

Expert(上級)は、法令科目+貨物・技術科目。法令25問+貨物技術10問を120分+45分で、8,800円、年1回。

Legal Expert(上級・法令のみ)は、法令科目のみ。法令25問を120分で、7,700円、年1回。

(2026年8月1日時点の公表情報にもとづきます)

Advancedで景色が変わる:米国の法律が入る

中級で、扱う世界が一段広がる
中級で、扱う世界が一段広がる

ここでいちばん見てほしいのは、Advancedの出題分野です。

Associateの範囲は、外為法の第25条(技術の提供)と第48条第1項(貨物の輸出)に関する輸出管理実務。日本の法律の世界です。

ところがAdvancedになると、ここに米国EAR再輸出規制が加わります。

「日本の法律だけ」から「アメリカの法律も」へ、扱う世界が一段広がるということです。

なぜ日本の試験でアメリカの法律が出るのか、不思議に思いませんか? これは、米国の輸出管理規則(EAR)が日本から第三国へ再輸出する場面にも及ぶからです。日本企業なのに米国のルールも見なければならない。この二重構造こそが、輸出管理という仕事の難しさであり、とても重要な内容でもあります。

ExpertとLegal Expertは「分割払い」に近い

2回に分けて、上級に届く道がある
2回に分けて、上級に届く道がある

上級の2つは、別々の資格というより同じ試験の受け方の違いです。

  • Expert = 法令科目 + 貨物・技術科目の両方
  • Legal Expert = 法令科目だけ

そして、ここがよくできています。

Expertを受けて法令科目だけ合格した場合、Legal Expertとして認定されます。 さらに、Legal Expertを持っている方が2年以内に貨物・技術科目に合格すれば、Expertに昇格できます。

「一度に全部そろえなくても、2回に分けて上級に届く道がある」

一発勝負で全部取り切らなくていい、という設計になっているわけです。

有効期限はありません。でも注意が1つ

取得した資格に有効期限はありません。一度取れば失効しない、ということです。

ただし、ここに大事な前提があります。法令知識は自分で更新していくことが前提とされている、という点です。

輸出管理の制度は、毎年のように変わります。リスト規制は原則として毎年改正されますし、2025年10月には規制の枠組み自体が大きく見直されました。資格は失効しなくても、知識のほうは放っておくと古くなるのです。

「取って終わり」ではないところが、この分野の厳しさでもあり、専門性が積み上がる理由でもあります。

次に受けられるのはいつか(2026年度)

次に受けられるのは、いつか
次に受けられるのは、いつか
  • 2026年9月11日(金)Expert / Legal Expert(会場:東京・名古屋・大阪)
  • 2026年10月21日(水)… Associate / Advanced(会場:東京・名古屋・大阪・福岡)
  • 2027年2月5日(金)… Associate(オンライン)
  • 2027年3月12日(金)… Advanced(オンライン)

9月11日のExpert / Legal Expertは、申込期限(2026年8月27日15時)が終了しています。 今年度この2つを受けることはできません。次の機会は2027年度になります。

いま申し込めるのは、10月21日のAssociate / Advancedです。オンライン受験を希望する場合は、Associateが2027年2月5日、Advancedが3月12日になります。

上級(Expert / Legal Expert)を目指す方は、1年あります。あわてる必要はありません。まずはAssociate・Advancedで足場を固めるか、この1年で法令の読み込みを積み上げるか。どちらでも、遠回りにはなりません。

※ 日程・受験料・要項は変更されることがあります。申し込む前に必ずCISTEC(一般財団法人安全保障貿易情報センター)の公式サイトで最新情報をご確認ください。この記事は公表されている試験情報をもとに整理したもので、CISTECが監修したものではありません。

まとめ

整理すると、こうなります。

  • 4つの名前があるが、実体は Associate(初級)→ Advanced(中級)→ Expert(上級)の3段
  • Legal ExpertはExpertの法令科目だけを受ける形。分割して上級に届く道がある
  • どの段からでも受験できる(下位合格は前提ではない)
  • Advancedから米国EARが入る:扱う世界が一段広がる
  • 資格に有効期限はないが、知識の更新は自分の仕事

さて、ここまで読んで「自分はどの段から始めるか」、決められそうでしょうか。

実はこの判断には、資格のレベルだけでなく試験日程からの逆算が効いてきます。年3回のAssociateと年1回のExpertでは、学習計画の立て方がまったく変わってくるからです。働きながら勉強するなら、なおさらです。

この年間スケジュールから逆算して学習計画をつくる方法は、別の記事で扱います。

みなとくん船長、地図は分かりました。あとは……いつから走り出すか、ですね
あんぼう船長そうじゃ。地図を持ったら、次は日程じゃ。あわてんでいい、逆算すれば道は見えてくる
次に読むなら、こちらをどうぞ。

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